butasan-ot’s diary

当事者と作業療法(OT)の視点で少しでもお役に立てることを届けていきます。

先天性白内障の当事者

僕は、「先天性白内障」という生まれながら視覚障がいを持っています。

小さい頃に水曜体の摘出と角膜移植をする手術を行ったそうです。

(まぁまぁ大変な手術だったそうですwww)

 

今でも年3回ぐらいは通院して経過観察してもらっています。

 

先天性白内障というと、「じゃあ、手術したからもう治ってるんですね」とよく言われることがあります。

しかし、当事者として悩むことは多く、他者の認識とのギャップを感じることがあります。

 

そこで今回は、この先天性白内障について、主観的な体験も含め振り返って、少しでもみなさんに知って頂ければと思います。


 目次

[先天性白内障とは?]

[こどもの頃にあった日常での障壁]

[僕の先天性白内障という世界]

[障がいという色メガネ]

 

 

 

1、先天性白内障とは?

白内障というと眼の中のレンズの役割をする水晶体という組織が白く濁り、視力低下などを引き起こす病気です。

 

白内障は高齢になるとなるかかりやすい病気ですが、手術すれば良くなるというのが現在の世の中のイメージだと思います。

 

医療が進歩して日帰りでも手術ができ、良くなって帰宅される方々が多々テレビでも流れます。

 

しかし、僕のような先天性白内障だと手術しても眼が十分に発達・成長していないなど問題から視覚障がいが残ることがあります。

 

そもそも、先天性白内障とは?

水晶体が透明性を失い、白濁する。出生時に既に起こっているものが多いが、小児期のある時期に出現、進行する発達白内障もある。両眼性が多いが、片眼に起こることもある。混濁の強い白内障は、重篤な視覚発達障害を起こす。

難病情報センターより引用

http://www.nanbyou.or.jp/entry/2432

 

と報告されています。

 

詳しくはこちらのサイトをご覧ください↓

http://www.nanbyou.or.jp/entry/2432

 

 

2、こどもの頃にあった日常での障壁

改めて振り返ると、この先天性白内障による障壁はあったんだなぁと感じます。

 

小さい頃は分厚いメガネが重かったり、

  • 黒板の文字が読めない
  • 授業は一番前で席替えイベントは楽しめない
  • 国語の試験の文章が小さくて時間内に読み終わらない
  • 楽譜を見ながら鍵盤ハーモニカを演奏できない
  • 野球の授業は全部魔球に見える
  • 瓶の飲み物を相手のコップにうまく注げない

などなど…(まだまだありそうwww)

 

現在は「合理的配慮」が行政・学校・企業が提供するように求められているため僕の時代よりも幾分良くなっているのかなと思います

*ただ、臨床でお子さんたちと関わっているとまだまだだなぁと感じることはありますが。

 

合理的配慮については以下のLITALICOさんの記事を参照してみて下さい↓

https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/consideration/

 

 

3、僕の先天性白内障という世界

僕を見ている視覚世界にといて主観的な体験をもとに列挙すると

  • 弱視であり、特に右の視力が低い
  • だから、見やすい左の単眼視をとる
  • なので,右眼の斜視が出る
  • 単に視力が低いという訳ではなく、カメラでいうところの「解像度(鮮明さ)」が低く見える。見えている映像が分かりにくい、大きさが左右で異なる(主観的な感覚です)
  • 視覚的な見落としや不器用さがある
  • 見て読み取る力が苦手(いわゆる視知覚認知の問題)
  • たとえば、文字を逆さに読めない、距離感がつかみにくい、段落を同じ場所を読んでしまう。
  • そこにいると思うから「見える」(街中で急に知り合いがいても気づけない(見えない))

 

これって、なかなか他者には伝わりにくみたいです。

 

だって、主観的なものと客観的なものは違うものだから、そりゃそうだ。


僕がこれらに対して工夫していることについては、また後日まとめてみます。

 

4、障がいという色メガネ

いろんな障壁がありながらも、周囲のサポートもあり、こうやって成長できたと思い、本当に感謝感謝なのです。

 

しかし、今でも周囲の人の「見えないからできないでしょう」という悪気はないと思うのですが、当事者にはツライ言葉や対応があります。

 

正直、悔しいものですね。

 

一害に、障がいを抱えている当事者の方々が、僕のような思いになっている訳ではないと覆います。

ただ、少なからずそう感じてしまう人もいるとは思います。

 

言葉では分かっていても、実際問題まだまだ「障がい」に対する色メガネは大いにあると感じます。

 

特に医療者など、支援に携わる人だからゆえに、そう見てしまう人も多いのではないでしょうか?

 

知識があるがゆえに「出来ないでしょう」とハンコを押してしまう。

 

「こうすれば出来るんじゃないか?」という、病気や障がいではなく、「やりたいこと・参加・作業」への視点の変換が必要ではないでしょか?

 

だって、良くなることに現在の医療では限界がります。それを待っていたら何も始まりませんからね。

 

これは、根拠もない僕の主観的な思いです。

 

そのために僕は、このようなことが起きないように、自ら行動して変化をさせていくことも大事だと思います。

 

お互いに手を取り合い、実現したことを実現できるように。

 

「先天性白内障(障がい)」というものは、僕の個性だということの真の意味を今では思えるようになりました。長かったな。

 

これを活かさない手はないのです。

活かし方はいくらでもあります。それを他の当事者や知り合い方々、家族から教えてもらいました。

 

 

 

おわりに

少しでも、公平な社会であって欲しいです。

手を差し伸べられる社会であって欲しいです。

 

そのために、僕が出来ることを日々、模索していきます。GIFTしていきます。

 

待つのではなく、自ら動いていきま~すwww

 

 

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(写真はJR鶴見線の海芝浦駅です。駅が海に浮かんでいるようです!!!)



ちゃんちゃん♪