butasan-ot’s diary

当事者と作業療法(OT)の視点で少しでもお役に立てることを届けていきます。

第6回 日本臨床作業療法学会学術大会~その1~

少し前になりますが、5月11日~12日に浜松にて開催された第6回 日本臨床作業療法学会学術大会に学会発表も含め参加してきました。

6thjscot.org

その感想を中心にまとめてみました。

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目次

[日本臨床作業療法学会とは?]

[演題発表に向上]

[作業療法の創造的破壊のための哲学]

[諸行無常]→その2にて

[臨床参加型実習]→その2にて

[行動変容によるcreative destruction]→その2にて 

 

1、日本臨床作業療法学会とは?

そもそも日本臨床作業療法学会とは何か?

 

東京工科大学の澤田辰徳 准教授が学会長を務める作業療法士による学会です。

日本臨床作業療法学会は作業を通して健康と幸福を促進する作業療法発展を図ること及び作業療法臨床に繋がる研究を振興することを目的としています。

引用:日本臨床作業療法学会HPにより

 

詳しくはこちらをご覧くださいませ。

http://jscot.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=9258

 

僕はこの学会に参加し、作業慮法にのめり込めるきっかけになりました。

 

作業療法にとっての「作業」をこよなく愛している、めっちゃactiveで型破りな学会だと僕は感じていますwww

 

何か、作業療法士として(作業療法士に限らず)壁にぶち当たっているならぜひとも一回参加する価値あり!!!

 

 

2、演題発表の向上

僕はまだまだ研究とか点で勉強不足ですが、近藤克則先生や友利先生、竹林先生などのお話で少しずつ理解が深まってきていると感じています。

近藤克則先生の研究本

https://www.amazon.co.jp/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%81%AE%E8%82%B2%E3%81%A6%E6%96%B9-%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%80%8C%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B%E5%8C%96%E3%80%8D-%E8%BF%91%E8%97%A4-%E5%85%8B%E5%89%87/dp/4260036742

 

友利先生、京極先生、竹林先生の研究本

https://www.amazon.co.jp/%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E3%81%A7%E5%89%B5%E3%82%8B%E3%82%A8%E3%83%93%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B9-%E5%8F%8B%E5%88%A9-%E5%B9%B8%E4%B9%8B%E4%BB%8B/dp/4260036629

 

で、ここ数年の学会では、自分が気づいていなかっただけかもですが、

より学術的な演題が増えているように思いました。

 

今までは

「〇〇したから、よくなった」

「効果のある△△でケースに介入したらよくなりました」

 

と、よくなったのは本当によくなったのか?

 

効果があることをまとやっているだけでは?

 

など、学術的に、また新規性があることなのか?

という点がありました。

 

しかし、この点などはケースシリーズなどでもできる限り効果があるとするように臨床的に意味のある最小変化量(MCID)などを用いて判定している。

「想い」の部分だけではなく、学術的に解明しようとしてきていると感じました。

 

この流れを続けて、発展させていくことが作業療法業界

社会に貢献できていけると思います。

 

ちなみに小児に関する演題がまだまだ少なかったので

ここは自分も継続して取り組み、発信していきたいと思います。

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ちなみに

このポスターセッションのときはドリンク(アルコール)飲みながらです。

 

そして、開始の掛け声が

ultra soul

 

さすが、COT学会!

 

destructionしてますwww

 

また、同じ分科会で発表されていた方が

CEQ(在宅高齢者ののための包括的環境要因調査表)

という、評価法を実践報告されており、

詳しく教えてくれました。

 

吉備国際大学の藪脇教授が開発された評価法であり、

クライアントの生活の質(QOL)に関わる環境要因を自己記入してもらい、

支援計画に役立てていくそうです。

 

在宅生活のクライアントに限らす

 

入院中のクライアントで退院前に評価し、退院調整に役立てる。

 

その他に、クライアントとその支援者の両者に実施し、考えのズレを埋めていくことも出来るかもと演者の方と藪脇先生が言ってました。

 

環境要因の評価法って少ないから、いろいろ活かせそうです。

 

みなさんもぜひ、使ってみてはいかがてしょうか?

 

詳しくはこちら

CEQとは | 吉備国際大学 高齢期作業行動科学 籔脇研究室

 

3、作業療法の創造的破壊のための哲学

初日の特別講演では吉備国際大学の京極真 教授のお話は笑いあり、涙?ありでかぶりつきでした。

 

冒頭での一言

「頑張ってください」

これはうけましたwww

 

テーマはすごいが、

創造的破壊は経済学的用語、過去を破壊して新しい価値を見出す。

=破棄的イノベーションが似ている。創造的破壊はあたらしいルールを作る。

 

今、作業療法業界は大きな転換期(lパラダイム)を迎えている。

 

道徳療法から出発した作業療法

時代の流れで医学モデルへシフトし、そしてアイデンティティが崩れ始めた。

そのために、近年、作業に焦点を当てた実践(OBP)を推進してきた。

 

しかし、OBPすぎるがゆえに医学モデルへの嫌悪感を作ってしまった。

これはまずい状況。

これは作業療法士の片腕を縛った状態でリングにあがるようなもの。

 

と京極先生がユーモアに注意喚起してくれました。

 

なので、このピンチを乗り込めるために、

私たち作業療法士(限らなとは思います)はドッキングしていくのが大事です。

 

その方法として理論研究(哲学)が有効になるそうです。

 

今までの常識、価値観を一度0ベースに戻す。

そのあとで、新たな概念。ルールを作り出すことが重要。

 

作業療法では理論研究で新たな概念を作り、それを実証研究で立証していく両方が大切。

 

研究とは難しいかもしれませんが、

まずは大きな一歩を踏み出してみましょう。

 

京極先生より

 

作業療法士

「暮らし・安心・クラシアン

 

ハイブリッドなOTになりましょう!!!

 

京極先生については  

らいすた(インスのライブ配信)、YouTube、ブログなど要チェックっす。

 

また、日本臨床作業療法学会のHPにてこの講演のダイジェスト版動画がアップされてます。

 

視聴か、会員の方だけかもですが、

ぜひご覧になってみてください。

 

http://jscot.kenkyuukai.jp/video/video_detail.asp?id=3973

 

まとめ

書いていたら思ったよりもいっぱいに…

 

重量オーバーなのでその2で書きますwww

 

今までは臨床だけこなしていればいいと思っていました。

でも、それだけだとだめですね。

 

多くの方のためになることをするのなら

ヨコ(地域を飛び越えて)にもタテ(未来へ)

にも発信していかないとですね。

 

僕もまだまだ

みなさん、一緒に頑張りましょう!

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