視覚障害のあるOTが学会に参加したら
さて、医療職に限らず多くの分野で
学術団体等の学術集会、いわゆる学会が年に1回ほど全国各地で開催さています。
でも、
今年はコロナ禍により
学会が軒並みwe開催となっている。
それにより、僕のような視覚障害をお持ちの方々は
「ポスターやスライドが見やすくなった」
「話している内容とスライドの情報をちゃんと比べられる」
「周囲の人に気を使わなくいい」
など、ポジティブな意見も聞かれています。
そもそもなぜ、
このような意見が出てきたのでしょうか?
僕、個人の実体験を基に
ご紹介していきたいと思います。
1. スライドが見えない
口述発表や基調公演は
フロアでスクリーンにスライドを投射して行います。
スクリーンの大きさや席の位置にもよりますが、
大抵の場合はスライドの文字や数値はまず、僕にはほとんどが見えてません。
これは学会に参加している者としては、かなり致命的(泣)
☝解決策
→出来るだけ前に行って見える場所を確保する
→発表者の話している言葉を頼りにひたすらメモをとる
→スマートフォンのカメラのズーム機能を使って見る
(もちろん写真や動画撮影はしていません)
これらを駆使して、なんとか情報を手に入れています。
それでも
聞いている情報と写し出されている情報を得るのにズレが生じてしまい、
自分が取り込んだ情報が本当に合っているのか悩ましい時があります。
いやぁ、本当に大変なんです。
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転職することはどうなのか?
今年の春に僕は転職をしました。
この記事を読んで下さっている方の中にも、転職を考えている方がいるのではないでしょうか?
そこで、何かの参考になればと思い、今回は僕が転職して感じたことをまとめましたた。
ざっくり言うと
・思ったが吉日
ただし、
・やりたいことと現実のバランス
・明確な目的
が
が大切です。
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視覚障がいとデスクワーク
みなさん、お久しぶりです。
随分、ブログの更新が途絶えていました。
今年度より、職場が変わりデスクワークでの悩みなどを改めて感じたため、つらつらと書いて少しでも共有できたらと思います。
1、デスクワークがやりにくい
さて、職場が変われば環境も変わります。
特にパソコン周りの変化は大きい。
・ノートパソコンとデスクトップの違い
・ディスプレイの大きさの違い
・ディスプレイの明るさの違い
・ディスプレイの鮮明度の違い
・デスクの大きさによるディスプレイまでの距離の違い
など
些細な変化ですが、僕のような視覚障がい(主に視力障害)があると、作業パフォーマンスへの影響が大きい。
例えば、
・マウスのポイントがどこの示しているか見失う
・記事の文字が読めない
・ディスプレイが暗くてよくわからない
・ディスプレイまでが遠い
これらにより、時間とストレスが大分かかります。
まさしく、以前書いたブログの内容が当てはまっています。
詳しくはこちらをご覧下さい。
↓
予想はしていましたが、入職して早々にデスクワークで悩まされるとは…。
困りますね。はいw
なので、今までの経験を踏まえて対策をたてました。
2、デスクワークへの対応策
悩んでいるだけでは作業が進まないのでどうにかしました。
まずは、すく出来ることを個人レベルですぐ出来ることを実施しました。
①ディスプレイの明るさを調整
これは意外と省エネモードのしている場合があります。
僕の場合は、それでは視覚刺激がかなり少なくなっていまし、よく見えません。
ですので、ディスプレイの設定から「明るさの調整」をしました。
これにより、大分色がはっきりし分かりやすくなりました。
正直、ディスプレイのスペックにより鮮明度は変更できないのでこの部分で補うことが必要でしたね。
②ディスプレイとの距離
これは、もう原始的な方法になりますが、ディスプレイを「よっこいしょ!」to
手前に近づけるだけです。
これで解決です。はい。
ただし、配線を引っこ抜かないように注意が必要ですwww
③記事が見ににくい
これは複数試しましたが、画面自体の倍率を上げると他の方が使用する時に困るのでそれ以外の方法で検討しました。
一番しっくりきたのは、やはりスマートフォンのカメラモードでズームして見ることです。
ルーペなどはやはり僕にはあまり合わないようですね。
ちなみに、スマートフォンの使用にあたっては職場に許可をもらってから行いましょう。
見ている情報には、個人情報などがあり個人情報保護の問題が関わってくる場合がありますので。
④記事を入力する
③の記事を見るにも関連しますが、入力するときもディスプレイの文字を確認しながら入力します。
でも、見えにくいのでその確認がかなり大変。スマートフォンを片手に持って確認しながらやっていたら効率が悪いです。
ですので、記事を直接所定の場所に入力するのではなく、一度フォントサイズや表示倍率を大きくしたWordやメモ帳などに記入し、そこからコピーして所定の場所に貼り付けることで対応しました。
少し作業工程が増えますが、まだこちらの方がストレスが少ないですね。
⑤上司に相談
これは、本当に重要なことだと改めて感じました。
個人で工夫しても、限界がある部分もあります。
今回、入職の前の段階で「先天性白内障」であることは、職場へは伝えていました。
そのこともあり、入職後の部長との面談にて、業務に関する確認をしてもらえ、こちらも困っていることを伝えやすかった。
(普段からもその他の上司には相談し、対応を検討してもらえていました)
結果として、ノートパソコンでは必然的にディスプレイのサイズが小さく、見えにくいのでデスクトップ用にディスプレイをノートパソコンに接続してもらえるようになりました。
職場内、管理者からの理解を得られるのは本当に大きい。配慮への対応が本当に速く環境調整をしてもらえることは助かりますね。
まとめ
僕は作業療法士という仕事をしています。
作業療法では、僕たちが何か作業をするときに
「その人の力(人)」
「作業環境(環境)」
「作業のやり方(作業)」
などが何かをするときに影響すると言われています。
環境が変わると今まで出来ていたことが、うまく出来なくなることがあります。
まさに今の僕はそんな状況です。
今までの経緯園や教えてもらったことを活かして、自分で工夫できることを実践してみたり、周囲に相談し対応してもらうことはとても重要です。
特に、後者は気が引けることもありますが、一人で抱え込むと辛いので、まずは話せる人に相談してみるだけでも違うかもしれません。
物理的な環境だけではなく、人という環境を変わることで多様な対応をしてもらえるのでとても助かります。
管理職の方々も、ぜひ、多用な支援をよろしくお願い致します。
今回の経験が、少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。
それでは♪
苦手な字をキレイに書く
先天性白内障の僕は字を書くのが苦手です。
誰もが僕と分かるほど特徴的なんですね。はい。
視覚障害をお持ちの方でも、同じような方はいるのではないだろうか?
発達性協調運動障害というわけではないけど、
・字が斜めになっていく
・字のバランスが整いにくい(一文字でも文章でも大きかったり、小さかったりする)
・直線が書きにくい
などなど。
一人で勝手に
「字が汚いんだなぁ」
で片付けてましたが、背景に視覚情報の弱さがあることに作業療法を学ぶ中で気付きました。
手が不器用なだけなら、もっと生活の中であれこれ困ってるだろーからね。
そんなわけで、
僕が字を書くときに工夫していることを僕の経験ベースでお伝えします。
あくまでも、僕の場合なので万人に効果的というわけではないのでお気をつけ下さい。
1、鉛筆やシャープペンシルで書く
視覚情報を使って書いている時のペン先や時字の流れの状況把握と修正が苦手です。
ボールペンだと、インクが先端のポールが回転しインクが紙に伝わり書くことが出来ます。
その時に書いている手にさほど圧や振動などの感覚は入らず、あんまり書いている感じがしません。
そうすると、どんな感じに書けているかが、まぁー分かりにくいんですよね。
なので、
きる
・鉛筆
などが書いている
圧や振動、音などの情報
が手や耳に伝わり視覚以外の情報で状況確認や修正が行いやすくなるのです。
今思えば、ポールペンを使う前の学生時代の頃の方が書きやすかったんですよね。はいwww
2、マス目やアンダーラインを使う
視力障害があるため、コンタクトレンズなどで強制しても精々視力は0.1位です。
おそらくこの0.1も後天的なものとは見え方が違う気がします。
その中で文章を書くと、本来なら紙全体み見ながら、周辺視野も使って方向やバランスなどを調整していると思います。
しかし、上記の通り僕は紙に対して眼をかなり接近させます。
そうすると、目の端の方(周辺視野)を用いて紙全体を見ながら書くのが苦手です。てか出来てません。
なので、書けば文字は大小様々、うねうねしたり、うなぎ登りしたり大変ですwww
なので、
・アンダーラインラインを引く
・線やマス目があるノートを使う
↑文章がうねうねしてしまう、 「字」と「書」の漢字の大きさが異なってしまう
↑手書きでアンダーラインやマス目を書きましたが、これだけでも文章の平行さや文字の大きさも大分統一でします。
と大分楽に書けます。
ペン先をなんとか見ようとするから全体を見れなくても、マス目やアンダーラインによって、方向とかをガイドしてくれるから。
特に、マス目が一番いいですね。
字の大きさや間隔も統一出来るので。
ただ、大人になると書類作成ではそうもいかないので、
・紙にシャーペンなどでアンダーラインを引いて後で消す
・職場に確認をとった上でパソコンで入力する
ことをしたりします。
何にせよ、書類を作成する、文字で伝えるとなった場合にこの目的が達成されなければダメなのです。
だからこそ、自分のハンディを補えるいろんな工夫をしていくのがストレスも少なくいいのです。
おわりに
ただ
「字が汚い」
で片付けてしまうのではなく、そこには何かしらの理由があります。
今回は視覚障害がある僕の話ですが、発達障害などを抱えるお子さんたちにもそれぞれの理由があります。
書籍や医療機関、福祉など専門家(作業療法士など)の支援の方法もありますが、
まずは、少しじっくり観察してみると何か特徴が分かってくるかもしれませんね。
それでは。